九星気学の傾斜(傾斜宮・けいしゃ)とは
九星気学は本命星(出生年の九星)と月命星(出生月の九星)でその人の大部分の特徴を表しますが、それを補足する概念として傾斜(けいしゃ)があります。傾斜とは、出生月の月盤(その月の九星盤)の中で、本命星が回座する宮(ほうめい星の位置)のことです。「傾斜宮」とも呼ばれます。本命星が他者に見せる「表の自分」を司るのに対し、傾斜宮は秘められた潜在能力や内面の性格、無意識に陥りやすい癖など「裏の自分」を示すとされます。
例えば1982年8月28日生まれの人は、本命星を九紫火星、月命星を八白土星です。この人が生まれた1982年8月の月盤を見ると、本命星の九紫火星が北西=乾宮に回座しているため、この人の傾斜は「乾宮傾斜」となります。なお、傾斜宮は洛書の九宮を九星が回座するという九星気学独自の考え方から導かれる概念であり、十二支や六十干支をベースにした他の占術の概念とは無関係です。「天中殺」などの干支占術の用語と傾斜を混同して説明する記述を他で見かけることもありますが、同じものとして扱う必要はありません。

左が1982年の年盤、右が1982年8月の月盤
傾斜の出し方(傾斜宮の求め方)
傾斜は本命星と月命星が分かれば導くことができます。出し方の手順は次のとおりです。
- 本命星(出生年の九星)と月命星(出生月の九星)を確認する
- 出生月の月盤を引き、その月盤の中で本命星が回座している宮(位置)を探す
- その宮の名前が、そのまま傾斜の名前になります(例:北西=乾宮なら「乾宮傾斜」)
中宮(中央)には方位がないため、傾斜は宮の位置によって「坎宮傾斜」「坤宮傾斜」「震宮傾斜」「巽宮傾斜」「乾宮傾斜」「兌宮傾斜」「艮宮傾斜」「離宮傾斜」の全8種類に分類されます。自分の傾斜は下記の九星気学無料占いでもまとめて判定できます。
傾斜の一覧(宮の読み方・方位・対応九星)
それぞれの傾斜と対応する九星、宮の読み方、方位は以下のとおりです。
| 傾斜 | 宮の読み方 | 方位 | 対応する九星 |
|---|---|---|---|
| 坎宮傾斜 | かんきゅう | 北 | 一白水星 |
| 坤宮傾斜 | こんきゅう | 南西 | 二黒土星 |
| 震宮傾斜 | しんきゅう | 東 | 三碧木星 |
| 巽宮傾斜 | そんきゅう | 南東 | 四緑木星 |
| 乾宮傾斜 | けんきゅう | 北西 | 六白金星 |
| 兌宮傾斜 | だきゅう | 西 | 七赤金星 |
| 艮宮傾斜 | ごんきゅう | 北東 | 八白土星 |
| 離宮傾斜 | りきゅう | 南 | 九紫火星 |
傾斜の特徴(8種類の傾斜宮別)
以下に8種類の傾斜宮ごとの特徴を記載します。自分の傾斜宮が示す潜在性の参考としてご覧ください。
震宮傾斜(しんきゅう・東・三碧木星)
八卦の震は九星では三碧木星に対応し、方位は東です。傾斜宮が震宮の人は、性格は積極的で活動的、チャレンジ精神あふれる頑張り屋です。若い時は自信過剰なところがありますが、年を取るにつれ社会での自分の身の置き方が分かっていき、その自信が大きな成果に繋がるでしょう。一度夢中になっても長続きしない、熱しやすく冷めやすい傾向もあるので、本当に自分のやりたいこと、やるべきことを見つけて取り組んでいきましょう。地道にコツコツやる力を培っていけば社会に大きく羽ばたけます。
巽宮傾斜(そんきゅう・南東・四緑木星)
八卦の巽は九星では四緑木星に対応し、方位は南東です。傾斜宮が巽宮の人は、人当たりが良く、年上、年下関係なく可愛がられる素質があります。穏やかな性格ですが信念を貫き通す強い精神もあります。指導力も持っているのでグループのまとめ役になったり、世話をしたり人のために良く働きます。人に恵まれているので人との出会いで大きなチャンスを手に入れられるでしょう。
乾宮傾斜(けんきゅう・北西・六白金星)
八卦の乾は九星では六白金星に対応し、方位は北西です。天を象徴し、不純物がない純粋な性質を表します。天は上を表すので乾宮傾斜の人は人の上に立つ頭領運があり、優れた頭脳と活動力を有します。洗練された思考と広く見渡せる視野で人を引っ張りますが、人よりできる分プライドも高くなりやすく頑固な一面があります。乾宮傾斜の人は60歳前後に大きなチャンスに恵まれるので大器晩成の運勢と言えます。
兌宮傾斜(だきゅう・西・七赤金星)
八卦の兌は九星では七赤金星に対応し、方位は西です。兌宮傾斜の人は社交的で人との付き合いが上手です。美食家の人も多く飲食との縁が強いです。また享楽的な部分も強いので、男性であれば結婚せずいろいろな人と付き合ったりしてずっと独り身だったり、女性であればホステスなどの職業に就いている人も多いでしょう。お金との縁もありますので、ふとしたチャンスでトントン拍子で大きなお金を得る機会もあるでしょう。
坤宮傾斜(こんきゅう・南西・二黒土星)
八卦の坤は九星では二黒土星に対応し、方位は南西です。坤は女性や母を表しますので、坤宮傾斜の人は性格は温和でおしとやかな人が多く保守的で地道にコツコツやることが得意です。補佐的な立場のほうが成功しやすく、地味ですが組織においていなくてはならない重要な人になるでしょう。若い頃は金銭に恵まれませんが、勤勉にまじめに働いた努力が晩年を安定させるでしょう。
艮宮傾斜(ごんきゅう・北東・八白土星)
八卦の艮は九星では八白土星に対応し、方位は北東です。艮宮傾斜の人は正義感が強く、意志がとても強固で自分の信じることは曲げない信条を持ちます。人との付き合いもあまり得意でないため、人と意見がぶつかり孤立することもありますが、持ち前の粘り強さとタフさで必ず目標を達成することでしょう。一方、人の好き嫌いや気分のムラがあるため人生の浮き沈みも多いので、それを押さえて人と協調することを覚えればより早く運気が開けてくるでしょう。
離宮傾斜(りきゅう・南・九紫火星)
八卦の離は九星では九紫火星に対応し、方位は南です。離宮傾斜の人は鋭い直感力と美的センスを持ち、情熱的で先見性があります。火の性質があるため華やかなものを好み、特に名誉を求めます。頭の回転が早く常に新しいものに挑戦しますが飽きっぽいところがあり熱しやすく冷めやすいのも特徴です。ユニークな視点があるので粘り強く努力することで素晴らしい才能が開花し、大きな成果を期待できるでしょう。
坎宮傾斜(かんきゅう・北・一白水星)
八卦の坎は九星では一白水星に対応し、方位は北です。坎宮傾斜の人は性格は人当たりが良く柔和で交際上手ですが、意外に用心深くデリケートな側面があります。水は智を表し、坎宮の人は冷静沈着で頭が良いでしょう。一方、表面では明るく振る舞っていますが、内面はわりと苦労性でストレスを溜め込みやすい性格でもあります。坎宮の人はけっして派手ではありませんが順応性があり、コツコツと努力して中年期以降にその努力が報われる時期がやってくるでしょう。
傾斜の読み解き方と活かし方
傾斜は本命星・月命星の性格特徴を補足するもので、メインの運勢を断定するための要素ではありません。読み解くときのポイントを整理します。
- 本命星・月命星の特徴を先に押さえ、傾斜宮は「補足情報」として重ねて読む
- 傾斜の宮が表す方位は、吉方位・凶方位の判断にも関係してくる
- 長所として書かれた性質は意識すると伸ばしやすく、注意点と書かれた性質は自覚があれば避けやすい
- 月命星が中宮にある場合は本命星が回る宮が定まらないため、流派によって天傾・地傾などの別手法で傾斜宮を求める
- 複数の流派で解釈が異なる部分もあるので、相性の悪い記述は無視して構わない
なお、傾斜のさらに上位の鑑定技法として、各宮に隠されるとされる星を読む「蔵気」という考え方もあります。傾斜とあわせて理解を深めたい方はこちらも参照してください。
